ゲームというジャンルの作品ほど、ゲームというジャンルの外から語られないジャンルも稀なように。
プレイステーションというカンブリアの大爆発を超え、売り上げ・予算の点で『アヴェンジャーズ』を超える超大作(『MGS TPP』といって、これが日本のゲーム作品という点も驚き。)から、数人規模のインディーズ作品が立ち並ぶ現在のゲーム業界が、SF大作から文芸映画、銀河英雄伝説から戦闘妖精雪風まで、多様な面白さ、多様な色合いを持つにも、かかわらず。
例えば、ピンチョンのファンがリンチの映画を語るように、SFファンが次第に文学よりの幻想的な小説にも手を出すように、奇想/幻想/彼岸/性を好む私が、ゲームというジャンルを別ジャンルの視点から紹介/レビュー出来ないかと考え、気になった、気になる幾つかのゲームを作品毎トピックに分けて紹介し、トピック内でそれに関連した作品を解説する、という形で、ここに記事としてまとめました。
先述したように現在のゲームはかなり多様化しました。ここで取り上げた多くの作品が(それなりのスペックを満たせば)PCで遊べますし(ここに書いてあるのは今となってはスペックをあまり要求しない作品が多いです)、無料でDL出来るもの、スマートフォンで気楽に始められる作品もあります。
個人的にそれほどゲームが好きというわけではないですし、ここで紹介した作品にはクリアしなかったものもありますが、先述した通り、現在のゲーム作品の中にはゲームジャンル以外のファンに突き刺さる作品が多くあると感じています。
そうした作品が、ゲームであるという理由だけでなんとなく見過ごされているのはあまりに寂しいのです。
お品書きは以下の通り。(比較的、手を出しやすいであろう無料作品/スマートフォンは注記をつけておきました。)
◆『The witness』 不在のコミュニケーション 祈りと巡礼の旅
-関連作品『Dear Esther』 『Stanley Parable』『Beginner's Guide』
◆『Bioshock infinite』 アメリカ例外主義 見せかけの選択肢を生み出す構造
-関連作品 『Bioshock(スマートフォン版アリ)』『Mirror's Edge』
◆『Her Story(スマートフォン版アリ)』 インタラクティブな後期クイーン問題 或いは新たな天帝への供物
-関連作品『Sherlock Holmes: Crimes and Punishments』 『Pictures of a reasonably documented year』『Sorcery! 3(スマートフォン)』
◆『フロントミッション オルタナティブ』 LGBTあるいはマイノリティ 私はあなたの側にいる
◆ 『クーロンズゲート』デヴィッドリンチとゲーム
-関連作品『プラネットライカ』『Red Sheed Profile(英題Deadly Premoniton)』『Forgotten Memories(スマートフォン)』『スキタイの娘(スマートフォン)』『Off-Peak(無料作品)』『真女神転生3』『Baroque』
◆『Metro 2033』 東欧の鬱金色した終末社会 生き残るという意思の鈍痛
-関連作品『Paper,Please(タブレット版アリ)』『This War Of Mine(スマートフォン版アリ)』『Naissannce』
映像を幾つも貼り付け、ひどく重くなってしまったので、読まれる方は『続きから読む』からどうぞ。